アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、コロナ・ショック以降の米国株市場の挙動を実証的に分析している。
この表には2つの目立った特徴がある。
1つはパフォーマンスが最悪の産業が資本集約的事業や金融サービスなどで、最良の産業が資本をあまり必要としない事業や医療である点だ。
2つ目は、最良と最悪の差が激しいということ。
ダモダラン教授が自身のブログでコロナ・ショックにおける金融市場の挙動をレビューしている。
「この表」とは、コロナ・ショックを通した産業別の株式パフォーマンスのうち最良と最悪のものをランキングしたものだ。
最良に並ぶのは、ソフトウェア(インターネット)、小売(オンライン)、貴金属、製薬(バイオ)、医療IT、・・・
最悪に並ぶのは、石油・ガス(生産・開拓)、空運、宇宙防衛、放送、石油・ガス(流通)、・・・
なるほど教授のいうような傾向が顕著である。
最良の10産業はプラス・リターンであり、トップは+43%、上位7産業が2桁%のプラスとなっている。
最悪の10産業はいずれも-20%を超える大幅下落となっている。
産業名を見れば、下げも上げも確かに納得しやすい。
それでも危機は危機だ。
過去の危機では有望産業であっても全体の下落に引きずられるものだった。
ところが、今回はそうなっていない。
追い風を受ける産業などで、素直に株価が上昇している。
なぜなのか。
ダモダラン教授は、コロナ・ショックにおけるリスク資本の挙動を様々な角度から検証している。
安全への逃避がこの危機の最初の3-4週間における主たるテーマであったのは明らかだが、リスク資本はこの危機を通して市場に留まっただけでなく、少なくともいくつかのセグメントではむしろ手に入れやすくなったのだ。
過去の危機では枯渇する傾向を示したリスク資本だが、今回は潤沢に存在し続けた。
もちろんこれはFRBの危機対応によるところが大きい。
FRBのポーズに民間が望まれたとおりに反応し、リスク資本を市場にとどめたのだ。
潤沢なリスク資本の存在はファクター別の挙動にも影響を及ぼしたようだ。
ダモダラン教授は、株式について7つのリスク・ファクターを選び、高リスク群・低リスク群のリターンを比較している。
結果は、レバレッジを除く6ファクター(PER、PBR、配当利回り、年数、成長率、規模)で直観と異なる傾向が見出された。
この6ファクターにおいて、高リスク群でプラス、低リスク群でマイナスのリターンとなっているのだ。
これは近年のグロース/バリューなどのパフォーマンス格差の延長にある話なのだろう。
ダモダラン教授は、投資家が好みがちなお仕着せの数字による解釈を超え、有望セクターの中身にまで迫ろうとしている。
そこで使われた喩えが、ボラティリティ(リスク)が高いとオプション価格が高くなる関係性だ。
今日の市場で(時価総額)最大の企業群の価値が無形資産によるものであるとの事実を主張する人は多い。
しかし、私は、より大きな違いとは、これら企業が資本集約的でなく、より柔軟である点だと思う。・・・
今日の大企業にはオプション性があり、それが投資家にとってリスクを敵ではなく味方にしているのだ。
オプションにおいては、リスクとは時として敵ではなく味方になるものだ。
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July 28, 2020 at 05:00AM
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上がる株の条件:アスワス・ダモダラン – The Financial Pointer® - フィナンシャル・ポインター
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