ThinkPad T14s Gen 1はどんなパソコン?
ThinkPadブランドのモバイルノートPCとなると、いまやフラッグシップとして君臨する「ThinkPad X1 Carbon」シリーズに、ThinkPad 220から始まる"サブノート"系譜の正当な後継者といえる「ThinkPad X」シリーズ、そして、「ThinkPad T」シリーズが並ぶ。 【写真】ASCII配列の英語キーボードをオプションで選べる。タイプ感はThinkPad共通のいつも通りの使い心地よさだ ThinkPad Tシリーズには、処理能力を重視してディスクリートGPUも実装するパフォーマンス重視の「(無印)T」モデルに加えて、薄型軽量を優先させた「Ts」モデルがある。従来、Tsモデルは14型ディスプレイを搭載し、GPUはCPU統合グラフィックスコアのみであるなど、ThinkPad X1 Carbonとの区別があいまいになっていたが、より薄くより軽くなっていくThinkPad X1 Carbonがフラッグシップにふさわしい「価格」になるにつれて、Tsモデルは、相対的にコストパフォーマンスが向上していくことになる。 2020年5月に登場した「ThinkPad T14s Gen 1」は、Lenovoが2019年から新たに定めた命名規則によって、新しいシリーズが登場したかと錯覚しそうだが、従来モデル「ThinkPad T490s」「ThinkPad T495s」の後継モデルにあたる。従来モデルでは、ThinkPad T490sがIntelのCoreプロセッサを搭載し、ThinkPad T495sがAMDのRyzenプロセッサを搭載していた。ThinkPad T14s Gen 1でも、製品名で区別をしていないものの、Coreプロセッサ搭載モデルとRyzen搭載モデルを用意している(レノボ・ジャパンのWebサイトでは、Coreプロセッサ搭載モデルを「ThinkPad T14s Gen 1」と表記し、Ryzenプロセッサ搭載モデルを「ThinkPad T14s Gen 1 (AMD)」と表記してページを分けている)。 ThinkPad T14s Gen 1はどんなパソコン? ThinkPad T14s Gen 1 (AMD)とThinkPad T495sを比較すると、本体はほぼ共通する。外観だけでは両者の区別は難しい。本体サイズは、幅329×奥行き226.15×厚さ16.7mmで、重さはタッチパネル対応構成で約1.39キロ、タッチパネル非対応構成で約1.33キロとなる。これは、従来モデルのThinkPad T495sと等しい。 ただし、CPUはThinkPad T495sが第2世代のAMD Ryzen PRO 3000 Uシリーズだったのに対して、ThinkPad T14s Gen 1 (AMD)では、2020年1月発表で第3世代に相当するAMD Ryzen PRO 4000 Uシリーズを採用する。カスタマイズでは以下のCPUが選択できる。 Ryzen 3 PRO 4450U (2.5G~3.7GHz、4コア8スレッド、AMD PRO対応) Ryzen 5 PRO 4650U (2.1G~4GHz、6コア12スレッド、AMD PRO対応) Ryzen 7 PRO 4750U (1.7G~4.1GHz、8コア16スレッド、AMD PRO対応) ※ただし、7月下旬時点では、Ryzen 3 PRO 4450Uが選択できなくなっている 第3世代のAMD Ryzen PRO 4000Uシリーズでは、Zen 2アーキテクチャを採用して、プロセスルールはCPUコアもGPUコアも7ナノメートルと微細化した。プロセスルールの微細化で実装するCPUコアの数も第2世代Ryzenの同クラスモデルと比較すると増えている。CPUに統合したメモリコントローラはDDR4-3200MHzもしくはLPDDR4-4266MHzの対応と、こちらも高速化が進んだ。 GPUコアは「Radeon RX Vega」を導入する。こちらも動作クロックが向上し、グラフィックスメモリとのデータ転送速度を改善した。なお、ThinkPad T495sと同様に、ThinkPad T14s Gen 1 (AMD)でも、搭載するCPUは、AMDのビジネス向け機能「AMD PROテクノロジ」に対応する。AMD PROテクノロジでは、システムメモリをリアルタイムで暗号化したりオープン標準ベースの管理機能に対応していたりと、ビジネス用におけるセキュリティや管理機能に対応する。 本体搭載インタフェースでは、無線LANが従来のWi-Fi 5までの準拠から、IEEE 802.11axもカバーするWi-Fi 6に準拠した。搭載する無線LANコントローラは「Intel Wi-Fi 6 AX200」だ。2×2の対応なので、転送速度は最大で2.4Gbpsに留まる(IEEE 802.11axの転送速度は理論値最大で9.6Gbps)。その他のインタフェースは、USB 3.1 Type-C×2基(うち1基はGen 2)にUSB 3.1 Gen1 Type-A×2基、HDMI出力、ヘッドホン/マイク端子、そして、イーサネット拡張コネクタを本体に搭載する。なお、ThinkPad T14s Gen 1のCoreプロセッサ搭載モデルでは、USB 3.1 Type-CがThunderbolt 3と兼用だが、ThinkPad T14s Gen 1 (AMD)ではThunderbolt 3を利用できない。 無線接続は先に述べたWi-Fi 6準拠の無線LANに加えて、Bluetooth 5.0が利用できる。また、カスタマイズでLTEデータ通信に対応するnanoSIM&microSIMスロットを背面に用意することも可能だ(ただし、7月下旬時点においてnanoSIM&microSIMスロット搭載は選択できない)。 昨今のリモートワークとビデオ会議の普及で需要が増えている本体搭載Webカメラは、720p対応を搭載する。他のThinkPadと同様に、ハードウェアレンズカバーとして使える「Think Shutter」が付属する。カスタマイズでは、顔認証に利用できるIRカメラも搭載する構成も選択できる(価格は3,300円アップする)。会議といえば、ThinkPad X1 Carbon Gen 8は、会議における声の聞き取りやすさを考慮して、ディスプレイの上端に4基のアレイマイクを内蔵して360度の収音を可能にしていた。しかし、ThinkPad T14s Gen 1にはそのような設備はなく、ディスプレイの上隣、Webカメラの左右両脇に2基のマイクを内蔵する。 ディスプレイは14型で解像度は1,920×1,080ドットだ。ThinkPad T14s Gen 1のCoreプロセッサ搭載モデルでは、カスタマイズで解像度3,840×2,160ドットや、液晶輝度400nitの高輝度省電力タイプ、周囲からののぞき見を防止できるThink Privacy Guardの導入などが選択できるが、ThinkPad T14s Gen 1 (AMD)では、解像度は1,920×1,080ドットのみ、タッチパネルの有無のみが選択できる。 キーボードはThinkPadシリーズ特有の快適なタイプ感を継承している。タイプした感触はやや軽めながら、押し込んだキートップは「スッ」とスムーズに下がり、最下点に到達したら「トン」と静かに指の力を支えてくれる。総じてキーのタイプ音は静かだ。その使い勝手は、先日レビューしたThinkPad X1 Carbon Gen 8と変わらない。キーピッチは実測で約19ミリ、キーストロークは実測で約2ミリを確保している。なお、カスタマイズでは、バックライトの有無に加えて、英語キーボードも選択できる。キーレイアウトもThinkPad X1 Carbon Gen 8と共通する。ファンクションキーはThinkPad T495sと同様に、4つのキーごとにグループ化している。ただし、右から2番目のグループで、割り当てている機能が「アクションセンターの表示」「VoIPアプリの着信」「VoIPアプリの終話」に変更された。
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July 31, 2020 at 10:01AM
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第3世代Ryzen搭載で"10万円台"(条件付き)のThinkPad T14s Gen 1を使ってみた(マイナビニュース) - Yahoo!ニュース
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