ヘッジファンド業界のクオンツの巨人２社が、今年の荒っぽい市場に投資モデルが翻弄され、つまずいた。
ルネサンス・テクノロジーズと トゥー・シグマ・アドバイザーズは、運用する複数のファンドの2020年成績がマイナスになっている。新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）がもたらした市場ボラティリティーが、最も洗練されたトレーダーらにとってすら未曽有の事態だったことがうかがわれる。
株式相場は３月に急速に弱気相場入りし、その後90年ぶりの勢いで反発。ＣＢＯＥボラティリティー指数の２月末からの平均は33と、過去30年の平均を14ポイント上回っている。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・ウェルス・マネジメントのアダム・タバック最高投資責任者（ＣＩＯ）は「クオンツファンドは現在の環境を全く反映していない期間のデータに頼っている」と指摘。「ボラティリティーが高まると、クオンツは行ったり来たりさせられるので追いつくのが極めて難しくなる」とも述べた。
ルネサンスの創業者ジム・サイモンズ氏
写真家：アマンダゴードン/ブルームバーグ
ルネサンスのロングバイアスのファンドは10月末までで約20％のマイナスとなったと、事情に詳しい関係者が述べた。マーケットニュートラルのファンドと世界株式ファンドはそれぞれ約27％と約25％のマイナスだったという。
損失は３月の急落時のヘッジが足りず、４－６月の反発期にはヘッジし過ぎたことが原因だとルネサンスは投資家に説明。モデルが最初の問題を埋め合わせるため「過剰反応」したと分析した。
トゥー・シグマはリスクプレミア戦略が10月末まででマイナス11.5％、アブソルートリターン・ファンドがマイナス2.7％、アブソルートリターン・マクロファンドは同23％だった。ブルームバーグが文書を確認した。
両社の広報担当者はコメントを控えた。Ｓ＆Ｐ500種株価指数は10月末までで1.2％上昇。トータルリターンベースでは2.8％上昇している
原題：
Renaissance, Two Sigma See Losses as Quant Giants Navigate Chaos（抜粋）
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November 18, 2020 at 11:09AM
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クオンツの巨人、ルネサンスとトゥー・シグマが波乱の市場で損失 - ブルームバーグ
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