2020年07月29日08時00分
◇使い古された常套句
コロナ禍に軽々しく使ってほしくない言葉がある。天候などの悪条件、テレビ優先のルール改悪、過酷な日程、不透明な選考基準など、選手を苦しめる問題が起こるたびに多くの指導者や役員が口にして、選手も自分に言い聞かせてきた言葉―。
「選手は、与えられた条件の中で戦うものだ」
一流選手が言うと、頼もしく聞こえる。言葉自体、完全な間違いではない。むしろ壁や試練があって選手は成長する。だからこそ、この言葉を便利に使って「アスリートファースト」を怠ってきた人たちがいる。
コロナ禍にあっても、メディアのリモート取材に対し、ほとんどの選手がプラス思考を口にして、自分を鼓舞するように前向きな言葉を返してくる。
弱音を吐けば、気持ちが途切れてしまう。支えてくれる人たちや全国の子どもたちをがっかりさせたくない。強固な意志や責任感が伝わってくる。そうした選手たちの思いは尊いものだ。
だが、この常套句を指導者や役員が今まで通りの調子で口にするとなれば、それは全く違う。コロナ禍は、戦争や大災害とは異質の要素が多い。日ごと月ごとに改善へ向かう手応えもない。「上に立つ人」の誰が、現役時代にこんな経験をしたというのか。
ましてプロや若い五輪代表クラスならまだしも、初めから限られた年月しかない選手や大学・中高校生のスポーツで、これを「与えられた条件」などと言えようか。
一連の不祥事で成功体験の弊害は認識されてきたはずだが、経験のない危機で問われるものは何か。選手の本当の気持ち、これから起こり得る展開、その時々にするべきこと-。想像力、知力、行動力を総動員して考え、動き、「与えられた条件」を少しでも希望の持てるものにする手助けだろう。(時事通信社・若林哲治)
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July 29, 2020 at 06:00AM
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コロナ禍も「与えられた条件」か 【スポーツの言葉考】(21) - 時事通信ニュース
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