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Saturday, June 20, 2020

<試写室>物語上での“好条件”が、抗うことの出来ない運命に引きずり込まれた、“必然”にも思えてくる - フジテレビュー!!

終了5分前「えーーー!!?」(ドン引き)

終了4分前「えーーー!!!」(まさかそこで!?)

終了3分前「えーーー???」(意味がわからない)

終了5分前から、怒涛の「えーーー」ラッシュ!!

もちろん、僕のリアクションです。

『犯罪症候群Season2』の環敬吾(渡部篤郎)、鏑木護(谷原章介)

なんつっても、まず最初の「えーーー!!?」(ドン引き)が辛い。

手塚理美さん演じる看護師・小島の暴走が加速…っていうか、もうエンジン全開過ぎて見逃せないのです。しかもそうさせているのは、難病を抱える息子(小林豊)への愛ゆえで、本当は希望のためのはずなのに、どうにもできず絶望へと突き進んでいく…というその矛盾と、矛盾しているからこそ抜け出せず、負の連鎖に陥っていく様がじっくり描かれます。

『犯罪症候群Season2』の小島継治(小林豊)

そもそも臓器移植が必要な息子のために、ドナーを自ら、誰かの命と引き換えに手に入れようとすること自体が破綻しているのだから、それを実行していく過程はうまくいくはずがないのです。だから今回のターゲットとなる人物が、偶然にも“中学時代に人を殺し”、“現在は家庭内暴力を繰り返す”少年という、このドラマとリンクし、殺しても仕方ないとも思わせる、物語上での“好条件”が、抗うことの出来ない運命に引きずり込まれた、“必然”にも思えてきます。

しかもその少年の背景にも、理不尽ではあるけれど、些細な出来事から運命の歯車が狂ってしまったという描写がさりげなくされている辺り、このドラマの周到さに驚かされます。だからこそ絶望を抱えた二人が、磁石のように引き合わされていくようで、見ているのが本当に辛くなるんです。

またその“少年”を演じるのは、最近まで観ていた現代版『東京ラブストーリー』(FODにて配信中)で“カンチ”を演じた伊藤健太郎さん。情けないけど生き生きしてるカンチとは対照的に、排他的で死んだように生きる市原というキャラクターを見事に演じていて、ほんのちょっとの登場シーンなのにとてつもない説得力を放ちます。

『犯罪症候群Season2』の市原智貴(伊藤健太郎)

加えてこのシーンの舞台となる深夜の廃校に呼び出された小島が、いろんな覚悟と思いを持って放った「来たよ!」にゾクっとします。ともすればタガが外れた暴走女になってもおかしくないのに、手塚さんが巧すぎて母性もすごいから、いくら間違っていようとも、愛のある母親が決闘を挑みに来たような、そんなカッコいいとすら思っちゃうシーンになっているんです。しかも「来たよ!」で、CM行くからね。カッコよさ倍増です。それも相まって、決闘の果てが絶望すぎて「えーーー!!?」(ドン引き)っとなるのです。このドラマ、この枠、容赦なさ過ぎ。

Person, Human, Apparel

そして“小島、暴走の果て”、それに至るまでの流れが切ないんですよ。

鏑木(谷原章介)の刑事の勘と執念によって、小島へようやくたどり着き、説得を試みるんだけど、前回なんだかプロポーズのようだった「殺してやろうか、俺が代わりに…」のあのシーンが、鏑木と矢吹(木村多江)の二人が “決意した”あのシーンが、鮮明に蘇って来て、セリフがいい意味で全然入ってこない!だって、鏑木が小島に言っている言葉は全部、鏑木自身にも言っていることなんだもの…。

「またやる(殺す)つもりですか?」から始まる約1分間の小島への説得は、小島に対して話しているはずなのに、一言一句全部、鏑木自身にも返ってきてて、「お前だよ!」と一瞬ツッコみたくもなるんだけど、どうして鏑木がそうなってしまったのか?先週のあのシーンのおかげで痛いほどわかってる…そしてまた、冷静に客観的に見てみると、そのセリフの裏側を何も知らない周りの人間は、鏑木はなんて正義感の強い人だと思ってるんだろうな…そう思うと、対小島、対鏑木、対周辺で、見え方が全然違ってくる…。なんという奥深さ。だから、どのポジションでセリフを聞いていいかわからない…セリフがすんなり入ってこない…そういうわけなんです。

『犯罪症候群Season2』の鏑木護(谷原章介)

そして、二番目の、終了4分前「えーーー!!!」(まさかそこで!?)は、鏑木と武藤(玉山鉄二)がいつ繋がるのか?先週のラストでかなりいいところまでいったのにニアミスに終わりましたが、次週の最終回へ向けて、かなり意外な場面で繋がることとなります。ヒントは武藤が仕入れた“ある資料”です。やたら“ある資料”チラ見せすんなーって、思ってたら、最後の最後、「えーーー!!!」(まさかそこで!?)っとなります。お見逃しなく。

武藤隆(玉山鉄二)と対峙する鏑木護(谷原章介)

ラスト、終了3分前「えーーー???」(意味がわからない)ですが、これはこのまんま。かなり混乱します。怒涛の場面が続いて、いよいよ最終回、どんなことになるんだろう?ちょっと予想でもしちゃおっかな、なんて余裕ぶっこいたその瞬間、もう一個爆弾が投下され、予測不能になります。そのキーマンは矢吹。いつも何かを隠し持ってそうな役が多い木村多江さんだからって、今回ばかりは先週のあの美しくもせつない二人の物語もあるし、悲しく献身的な方の木村多江さん…だと思ってたのに…。やっぱり、演じる矢吹の目の奥、それだけじゃない、とてつもない何か、隠してたよね…。一体どうなるの?

『犯罪症候群Season2』の(左から)牧田浩文(板尾創路)、矢吹響子(木村多江)

で、来週最終回なんだけど、これ、あと1時間で終わる分量なの?という心配はこの制作陣だから信じるとして、これ、ハッピーエンドは無理でも、少しでも希望が見える最終回になるんだろうか?とかなり心配になってしまいます。だって、鏑木だって、矢吹だって、小島だって、みんな幸せになって欲しい…心からそう思えるほど、すっごい感情移入してる…。

text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)

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June 19, 2020 at 05:52PM
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