［２９日 ロイター］ - ＜ロンドン株式市場＞ 小幅に続伸して取引を終えた。
週明けはコロナウイルスの感染拡大が不安視され大幅安となったが、前日は持ち直し、こ
の日も辛うじてプラス圏を維持した。
ＣＭＣマーケッツのアナリスト、デービッド・マデン氏は「前日の値上がりが利益確
定売りと安値拾いによるものであったならば、この日の小幅な動きは投資家の買い意欲が
衰えてきている兆しかもしれない」と指摘した。
ＦＸＴＭのアナリスト、ハン・タン氏は「市場は感染拡大が収まってきている兆候を
求めるだろう」と述べた上で、株価がしっかりと持ち直すのは何カ月も先になるとの見方
を示した。
ソシエテ・ジェネラルの市場ストラテジストは、感染が急速に拡大する新型コロナウ
イルスの状況が悪化すれば世界の株価が１０％下落すると試算した。新型コロナウイルス
の感染で１３０人以上が死亡している。
市場はこの日終了する連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ） も注視している。米連邦準
備理事会（ＦＲＢ）は金利を据え置く見通しだが、ウイルス感染拡大による今後の課題に
言及する可能性がある。
石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルとＢＰは値を下げ、全体の上昇
幅を限定した。米エネルギー省エネルギー情報局（ＥＩＡ）が発表した米原油在庫が増え
たことで原油が値を下げ、石油株の重しとなった。
中型株ではサイバーセキュリティーのアバストが５．５％下落した。個人情
報を第三者に販売したとする報道を否定したが、今週に入り株価が２０％近く下落してい
る。
鉄道・バスの運行を手掛けるステージコーチは６．３％安だった。ＨＳＢＣ
が投資判断を引き下げたほか、英政府が鉄道運営会社ノーザンレイルを国営化するとした
ことが嫌気された。政府は数週間以内に、国内の鉄道サービスの報告書を公表する。
老人ホーム建設大手マッカーシー・アンド・ストーンは５．８％下落した。
最大株主が保有株の一部を売却する予定であることが判明した。
ロンドン株式市場：
＜欧州株式市場＞ 続伸して取引を終えた。スペインの銀行サンタンデール
が買われ、全体水準を押し上げた。
サンタンデールは４．４％上昇した。第４・四半期の純利益が増えたことが好感され
た。サンタンデールの値上がりを受けスペインのＩＢＥＸ指数は０．６６％上昇
した。スウェーデンの銀行ＳＥＢは１．９％高だった。第４・四半期利益が市
場予想を上回ったことが買い材料となった。ＳＴＯＸＸユーロ圏銀行株指数は０
．９９％上昇した。
ボーイングの供給業者であるフランスの航空機エンジンメーカーのサフラン
は３．８％上昇した。ボーイングは１９年に損失を出したものの、アナリストは悪材料は
すでに織り込み済みとの見方を示した。
この日は株価が上がったが、中国で発生した新型コロナウイルスによる経済への打撃
が不安視される中、欧州株式相場は依然として抑制されている。中国ではウイルス感染に
よる死亡者が１３３人、感染件数は５０００件を超えた。中国政府系のエコノミストは国
内の経済成長率が５．０％かそれ以下に鈍化する可能性があると警告した。
ドイツのクセトラＤＡＸ指数は日中、マイナス圏に落ち込んだ後、０．１６
％高で取引を終えた。中国はドイツの最も重要な貿易相手国だ。ドイツのアルトマイヤー
経済相は２０年のドイツの成長率見通しを引き上げた一方で２１年の見通しを引き下げた
。
投資家は各中銀の動きを注視している。この日は米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が２日
間の会合を終える。ＦＲＢは金利を据え置く見通しだ。英中銀イングランド銀行（ＢＯＥ
）は３０日に会合を開く。金利先物が示す英中銀による利下げの確率は５０％
となっている。
欧州株式市場：
＜ユーロ圏債券＞ イタリア１０年債利回りが低下し、１０月上旬以来の低水準とな
った。世界的に市場心理が改善したほか、イタリアの政局リスクを巡る懸念の後退により
、ユーロ圏の高利回り債に資金が向かった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済的な影響を懸念し、ここ１週間は安全資産
であるユーロ圏国債に買いが先行。周辺国債券はリスク資産と同様に扱われやすいものの
、ここ数日の株価急落時でもアウトパフォームしていた。
アナリストは「利回りへの逃避」が「質への逃避」を凌駕していると指摘する。ユー
ロ圏国債は半分以上がマイナス金利になっているため、株価急落時や入札の際には高利回
り債券に買いが入りやすい。
前日実施されたギリシャの１５年債入札やフランスの３０年債入札はともに堅調な需
要を集めた。
フランスでは１０年債利回りはマイナス０．１２％だが、３０年債利回りFR30YT=RR
は０．６８％となっている。
コメルツバンクの金利ストラテジスト、ライナー・グンターマン氏は「マイナス金利
が当面継続するとの見方はドイツ国債の保有を考え直させる」と指摘。「周辺国では、イ
タリアの州知事選やギリシャ格付けの引き上げなど固有の要因があった」と述べた。[nL4
N29W14P]
イタリア１０年債利回りは６ベーシスポイント（ｂｐ）低下の０．９６
４％。独伊１０年債利回り差は１３２．７０ｂｐと９月中旬以来の水準に
縮小した。
ＴＤセキュリティーズの欧州金利ストラテジスト、プージャ・クムラ氏は「南欧のフ
ァンダメンタルズが大幅に改善しており、マイナス金利環境下でイタリアやギリシャが恩
恵を享受している」と述べた。
この日発表されたイタリアの１月消費者信頼感指数および製造業信頼感指数はともに
上昇。また前日にはガルティエリ経済相が、財政赤字の対国内総生産（ＧＤＰ）比の政府
目標である２．２％は「非常に容易に達成可能」との見方を示した。
ユーロ圏金融・債券市場：
＜為替＞ 欧州終 アジア市場 コード
盤 終盤
ユーロ／ドル 1.1002 1.1004
ドル／円 109.15 109.09
ユーロ／円 120.10 120.05
＜株式指数＞ 終値 前日比 ％ 前営業日終値 コード
ＳＴＯＸＸ欧州６００種 419.41 +1.85 +0.44 417.56
ＦＴＳＥユーロファース 1639.11 +6.48 +0.40 1632.63
ト３００種
ユーロＳＴＯＸＸ５０種 3736.36 +17.14 +0.46 3719.22
ＦＴＳＥ１００種 7483.57 +2.88 +0.04 7480.69
クセトラＤＡＸ 13345.0 +21.31 +0.16 13323.69
0
ＣＡＣ４０種 5954.89 +29.07 +0.49 5925.82
＜金現物＞ 午後 コード
値決め 1573.45 <GOLD/EU1
>
＜金利・債券＞
米東部時間14時15分
＊先物 清算値 前日比 前営業日 コード
終盤
３カ月物ユーロ 100.41 +0.01 100.40
独連邦債２年物 112.02 +0.02 112.00
独連邦債５年物 134.60 +0.07 134.53
独連邦債１０年物 174.06 +0.38 173.68
独連邦債３０年物 207.88 +1.14 206.74
＊現物利回り 現在値 前日比 前営業日 コード
終盤
独連邦債２年物 -0.640 -0.009 -0.627
独連邦債５年物 -0.621 -0.012 -0.606
独連邦債１０年物 -0.377 -0.023 -0.386
独連邦債３０年物 0.128 -0.025 0.160
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January 30, 2020 at 02:35AM
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