先週の新興国市場では株式と通貨、国債の指数がいずれも上昇。米中関係の緊張が高まったものの、米欧の経済活動再開に対する楽観がそれに勝った。中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が香港の「国家安全法」を制定する方針を採択し、トランプ米大統領が中国への非難を強めた後の5月29日の取引でも新興国株は小幅上昇した。
アルゼンチン政府は新たな債務再編案を発表。韓国の中央銀行は成長てこ入れのため政策金利を過去最低水準に引き下げた。
29日終了週の主なニュースは以下の通り。
ハイライト:
- 中国の全人代が香港の「国家安全法」を制定する方針を 採択。これは香港の基本的自由を制限する措置だと民主派は主張している
- アルゼンチン政府が新たな
債務再編案を明らかにした。支払い猶予期間を2年に短縮し、元本返済を5年程度先送りすることが柱
- アルゼンチンは22日が期限だった約5億ドル(約540億円)相当の国債利払いを行わず、9回目の デフォルト(債務不履行)に陥った
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中南米は今や、世界の1日当たりの新型コロナウイルス感染症(COVID19)死者数の約4割を占める
- ブラジルは累計の感染者数が米国に次いで世界2位となった
- 韓国銀行(中央銀行)の李柱烈総裁は、非伝統的な政策手段を通じた成長支援を 検討していると明らかにした。同中銀は金融通貨委員会で政策金利を過去最低水準に引き下げることを決めると共に、今年の韓国経済についてアジア金融危機以来のマイナス成長に陥るとの見通しを示した
資産別指数(ニューヨーク時間午後4時20分現在) | 週間 | 月間 |
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MSCI新興市場指数 | +2.8% | +0.6% |
MSCI新興国通貨指数 | +0.3% | -0.2% |
ブルームバーグ・バークレイズ新興市場の自国通貨建て国債指数(28日まで) | +0.3% | +0.4% |
アジア:
- 中国人民銀の易網総裁は、世界的に不確実性が高まる中でも国内経済は改善しているとの認識を示した上で、人民銀は的を絞った緩和アプローチを維持すると 表明
- 中国政府は国を挙げて国内のワクチン開発企業を 後押ししている。中国企業が臨床試験を行っているワクチン候補は5種と世界で最多。政府は衛生当局や医薬品当局、研究機関を総動員して国内企業を24時間体制で支援
- インドのCOVID19による 死者数が中国を超えた
- 韓国の5月の 消費者信頼感は、前月記録した世界金融危機以来の低水準から急回復。消費者心理指数は77.6だった(4月は約11年ぶり低水準の70.8)
EMEA:
- トルコ経済は1-3月(第1四半期)に伸びが鈍化したものの、プラス成長を維持。国内総生産( GDP)は前年同期比4.5%増で、前年割れを免れた
- 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟主要産油国から成る「OPECプラス」の一角として、原油の減産と世界的供給過剰の緩和でOPECと協調するロシアは、原油市場の需給が6月か7月に 均衡すると予想している
中南米:
- 中南米最大の航空会社LATAM航空グループが米連邦破産法11条に基づく会社更生手続きを 申請、アビアンカ・ホールディングスに続いた
- メキシコの1-3月期のGDPは予想よりも小幅な減少にとどまった。ただ、通年では引き続き1世紀近くで最大のマイナス成長になると見込まれている
今後発表のデータ: |
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原題: EM Review: U.S.-China Row Failed to Derail End-of-Month Rally(抜粋)
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June 01, 2020 at 03:47AM
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【先週の新興国市場】米中緊張でも堅調維持、米欧の経済再開を楽観 - ブルームバーグ
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