[ニューヨーク 27日 ロイター] - 米国株が最高値を更新してからまだ10日足らずしか経過していない。だがこの間、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスが中国国外で急拡大し、世界経済に長期間悪影響が及ぶとの懸念が広がったため、投資家は一斉にリスク回避に走る事態になった。
S&P総合500種は27日に4%下がり、19日に付けた終値ベースの最高値からの下落率が10%を超えて、調整局面に入ったことが確認された。逆に米長期金利は3営業日連続で過去最低を更新し、金価格が1%強跳ね上がるなど、安全資産に資金が逃避する様子が見て取れる。
投資家とアナリストは、欧州もしくは米国で新型コロナウイルスの感染がピークアウトした兆しが出てくるまで、市場の動揺は続く公算が大きいと口をそろえている。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル市場ストラテジスト、サミア・サマナ氏は「感染拡大がまだ始まったばかりというところに不安の種がある」と語り、世界的な経済成長の恩恵を受ける工業などのセクターを敬遠し、レバレッジ比率が低くて高い収益力を持つ企業に投資の力点を置く戦略を打ち出した。
投資家心理が急速に悪化した背景には、2019年にS&P総合500種が30%強も高騰していたことがある。ロバート・W・ベアードの投資ストラテジスト、ウィリー・デルウィッチ氏は「19年の大幅な株高には、米国経済と世界経済、企業業績が劇的に上向き続けるという前提があったことは、重大な留意事項だ」と指摘。こうした期待が既に株価に織り込まれていたため、足元でバリュエーションの水準調整が起きていると付け加えた。
例えばリフィニティブのデータによると、現在のS&P総合500種の予想利益に基づく株価収益率(PER)は17.8倍。今月中には一時、2002年以降で最も高い18.9倍に達していたことがバンク・オブ・アメリカ・リサーチのデータで分かる。
フェデレーテッド・ハーミーズのマルチセクター戦略責任者ドン・エレンバーガー氏は、新型コロナウイルス感染拡大がいつまで続くか、そして経済をどの程度混乱させるかが不透明なことに起因する今回の株安は、S&P総合500種が20%近く下がった18年とは様相が異なるとの見方を示した。当時は、世界経済が減速しているにもかかわらず米連邦準備理事会(FRB)が利上げを継続するのではないかとの懸念が、株価に打撃を与えていた。
足元の地合い悪化を受け、市場が織り込む3月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利下げ確率は、先週の8%から一気に70%近辺まで上がった。
ヘッジファンド、バリューワークスのポートフォリオマネジャー、チャールズ・レモニデス氏は「投資家心理との関連で言えば、今は非常に微妙なポイントにある。本日や明日、来週に必ずパニックが起きるわけではない半面、いつでもパニックになりやすい状況だ」と話した。その結果、同氏はボラティリティがさらに高まる局面に備えるポジションを構築しつつある。
オルタナティブ投資を手掛けるスカイブリッジのトロイ・ガイェスク共同最高投資責任者は、11年以降で初めて金を購入し、S&P総合500種が上昇を続けた場合にもうかる株式コールオプション(買う権利)の持ち高を解消した、と明らかにした。
ガイェスク氏は「3月を迎えるに当たっては、1月の前に比べて保守的になるのは間違いない」と説明し、新型コロナウイルスの感染拡大によって市場環境は以前よりはるかに不確実になり、株価の大幅な上昇余地があるかずっと疑わしくなったと強調した。
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February 28, 2020 at 06:50AM
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焦点:新型肺炎で米株一気に調整局面、市場の動揺収束みえず - ロイター
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