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Friday, January 31, 2020

米クレジット市場、債務積み上がりに警戒必要=TCW - ロイター (Reuters Japan)

[東京 31日 ロイター] - 米資産運用大手TCWのタッド・リベル最高投資責任者(CIO)は、ロイターとのインタビューで、米国企業の間で過剰な債務(レバレッジ)が積み上がっており、クレジット(社債)市場のリスクは高まっているとの警戒感を示した。

 1月31日、米資産運用大手TCWのタッド・リベル最高投資責任者(写真)は、ロイターとのインタビューで、米国企業の間で過剰な債務(レバレッジ)が積み上がっており、クレジット(社債)市場のリスクは高まっているとの警戒感を示した。写真は米ニューヨークで2012年11月撮影(2020年 ロイター/Carlo Allegri)

同社は、ロサンゼルスを本拠地とする大手資産運用会社で、預かり資産残高2175億ドル(約24兆円)の約85%を米債券商品で運用する(12月末時点)など、外債運用に強みをもつ。

リベル氏の来日インタビュー(28日実施)の概要は以下の通り。

──新型コロナウイルスによる肺炎が中国を中心に猛威をふるい、世界の金融市場がリスクオフに傾いている。

「この深刻なウイルスの大流行について冷淡でいたり無神経なことを言うつもりはないが、足もとの金融市場の反応に関しては、肺炎問題がきっかけとなり、バリュエーションが健全でないことを人々に再考させたと考えている」

「もともと、資産価格は正当化が難しい水準まで上昇していた。多くの資本市場ではレバレッジが過剰になっており、悪材料が出てくればそれが何であれ、調整が避けられない状況にあった」

「例えば、昨年9月には(国債などを担保に短期資金を貸し借りする)レポ市場での『技術的な』問題を受け、FRBはひと月当たり600億ドルの量的緩和を実施した。追加の翌日物レポの供給を含めると計4000億ドルほどの供給だ。少しでも懐疑心をもつ人間であれば、金融危機前のFRBのバランスシートはたった8000億ドルだったのに、4000億ドルの追加供給は本当に『技術的』なのか疑問に思うだろう」

「市場が少し変動しただけでこれほどの対応が必要というのは、つまり市場が『レバレッジが大きくなり過ぎている』と声を上げているのだ。すなわち、市場でファイナンスされている米債ポジションの量とFRBが望む調達レートの間に不均衡が発生している」

「経済学の基本である需給曲線が示すのは、量と価格の両方を同時に固定することはできないということだ。FRBが価格(または金利)を固定し、その結果資金が足りなくなってしまえば、追加で資金を供給するしかない」

「あるいは、間違っているのは価格の方だという見方も成り立つ。市場に任せれば、レポレートは現状よりも高い水準にあるべきということだ。その結果イールドカーブは逆イールドとなり、レバレッジは解消(デレバレッジ)されるはずだった。また、結果として景気も後退するかもしれない。だがFRBはこうした市場による調整を無理やり止めようとしてしまっている」

    「米国企業の売上高の伸びは減速しており、企業の収益力は改善していない可能性が高い。また、設備投資が伸びないのもこれが背景だ。企業の収益力こそが労働需要を生み出す。利益成長の伸びが鈍化すれば、雇用の伸びも弱まる。過去1年ほどそうした傾向がみられる。またサンフランシスコ連銀によれば、逆イールドも景気後退を予測するのに信頼できるデータだ。それも収益力への影響を考えれば納得がいく。短期で資金調達をして長期で運用する業態はすべて、逆イールドになると価格決定力を失ってしまうからだ」

── 米国クレジット市場の現状は。

「中央銀行のサポートを受けたレバレッジの積み上がりの意図せざる結果が、クレジット市場では顕著だ」

「投資適格級のスプレッドは現在、米国債プラス90─92ベーシスポイント(bp)程度、過去最低水準だった80bp台後半に近い。一方で、レバレッジの高い企業が増加している。今や投資適格級の半分がトリプルB(BBB)だ。さらに気がかりなのは、投資適格級の中でレバレッジが3倍台、4倍台の企業が増えていることだ。トリプルB格が増加している、という格付け会社の判断は、企業のレバレッジ拡大に即したものだ」

    「過去の景気後退局面においては、トリプルB銘柄の4分の1から半分が格下げされ、ジャンク債市場に流れ込んだ。次に景気が後退した時にもこれが当てはまるのであれば、現在の投資適格級債券のうちの8分の1から4分の1がジャンク債になる計算となる」

── 米国ローン担保証券(CLO)市場について。

    「CLO市場も大きなリスクを取っている。典型的なCLOでは、トリプルCの債権が全体の7.5%を超えてはならないとされていることが多い。それを超えると、例えば取引が制約されるなどの新たな制限がかかる」

「問題は、CLOでは、トリプルCの債権はもちろんだが、トリプルBで見通しがネガティブなもの、ダブルBで格下げ方向で見直し中のものも、トリプルCとして扱われるということだ」

「現在、CLOの裏付け資産の4分の1程度がトリプルBだ。何か少しの変化が起きただけでも、CLO市場が変調をきたすのには十分だと言える」

植竹知子、佐野日出之

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January 31, 2020 at 05:00PM
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