欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。
◎米国市況：株続落、パウエル議長が慎重な見解－国債は大幅高
10日の米株式市場ではＳ＆Ｐ500種株価指数とダウ工業株30種平均が続落。米国債は大幅続伸した。米金融当局の景気認識を見極める展開の中、ドルも下げた。
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Ｓ＆Ｐ500種は前日終値を挟んでもみ合った。連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）はフェデラルファンド（ＦＦ）金利の誘導目標レンジを少なくとも2022年までゼロ付近で維持するとの 見通しを示した。一方でパウエル連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長は、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）が経済に与える打撃はより長期化する恐れがあると示唆した。
Ｓ＆Ｐ500種は前日比0.5％安の3190.14。ダウ平均は282.31ドル（１％）安の26989.99ドル。一方、ナスダック総合指数は0.7％上昇した。テスラ株が初めて 1000ドル台に乗せたことを追い風にナスダック100指数は続伸、過去最高値を更新した。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティチュートのシニア世界市場ストラテジスト、サミーア・サマナ氏は「金融当局が新たな措置を発表しなかったことから、利益確定の売りが出たようだ」と指摘。「この段階ではリスクテークがややしにくい状態だ」と話した。
米国債市場ではニューヨーク時間午後４時59分現在、10年債利回りが10ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）低下の0.73％。ＦＯＭＣは資産購入に関して「少なくとも」現行ペースを維持すると明らかにした。
為替市場ではドルが主要10通貨の大半に対し下落。米政策金利が22年まで据え置かれる見通しをＦＯＭＣが示したことに反応した。オーストラリア・ドルなど資源国通貨は急伸した。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.5％低下。３月以降で初めて心理的節目の1200を下回った。ドルは対円で0.6％安の１ドル＝107円12銭。
ニューヨーク原油先物相場は続伸。３％余り下げたあとに切り返す不安定な展開だった。米エネルギー情報局（ＥＩＡ）が朝方発表した統計は、原油在庫が1982年の統計開始以来最大に達したことを示した。ニューヨーク商業取引所（ＮＹＭＥＸ）のウェスト・テキサス・インターミディエート（ＷＴＩ）先物７月限は66セント（1.7％）高の１バレル＝39.60ドルで終了。ロンドンＩＣＥの北海ブレント８月限は55セント高の41.73ドル。
ニューヨーク金先物相場は小幅反落。ニューヨーク商品取引所（ＣＯＭＥＸ）の金先物８月限はＦＯＭＣ声明発表前に、0.1％安の１オンス＝1720.70ドルで終了した。一方、スポット相場は上昇。ＦＯＭＣが事実上のゼロ金利政策を2022年まで維持する方針などを示唆した後、１％程度値上がりした。
原題： Stocks Whipsaw, Dollar Drops on Powell’s Dour View: Markets Wrap（抜粋）
USD Falls to 3-Month Low on Fed’s Low-Rate Outlook: Inside G-10（抜粋）
Record U.S. Crude Stockpiles Show Cracks in Oil Market Recovery（抜粋）
PRECIOUS: Gold Futures Erase Gains Ahead of Fed Meeting Decision（抜粋）
Gold Jumps as Fed Signals Lower Interest Rates For Longer（抜粋）
◎欧州市況：株下落、ＦＯＭＣの声明発表前－イタリア債が下落
10日の欧州株は下落。米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の声明発表を前に変動の大きな一日となった。
ストックス欧州600指数は0.4％下落。一時は0.9％高まで買い進まれた一方で、0.7％安まで下げた場面もあった。旅行・娯楽や自動車メーカーが特に売られた。エネルギーも安い。
クロスブリッジ・キャピタルの投資責任者、マニシュ・シン氏は「経済再開が一段と進む中で、リスクは依然として上向きだ」と指摘。「経済が再開した後も財政および金融政策の支援が長く続くことを忘れてはいけない。夏の数カ月間は一服となる可能性があるが、第３、４四半期は明るそうだ」との見方を示した。
欧州債はイタリア債を中心にスペイン、ポルトガル債が下落。ドイツ債は上昇した。ドイツは60億ユーロの30年債売り出しに対して315億ユーロを超える需要を集めた。
イタリア債とドイツ債のイールドスプレッドは７ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）拡大して188ｂｐ。
ドイツ債は利回り曲線がブルフラット化。ロイター通信が報じたところによると、ドイツは500億ユーロの借り入れ追加を計画している。
英国債もブルフラット化した。
ドイツ10年債利回りは２ｂｐ下げてマイナス0.33％。フランス10年債利回りは変わらずの0.08％。イタリア10年債利回りは４ｂｐ上昇して1.54％。
原題： Europe Stocks Post Third Day of Declines Before Fed Decision（抜粋）
Italian Bonds Fall Before Sales, Bunds Rise; End-of-Day Curves（抜粋）
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June 11, 2020 at 05:01AM
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