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Sunday, February 9, 2020

26兆円のFC市場で中小は成功できるか? 押し寄せる新規事業目的の中小企業 - 日経ビジネス電子版

全3652文字

あなたの会社は、10年前と比べて順調に成長しているだろうか。本業の収益力低下に悩んでいる経営者は少なくないはずだ。この状況とは対照的に、9年間で26%拡大した市場がある。それがフランチャイズチェーン(FC)業界だ。今、新規事業としてFCに加盟する中小企業が増えている。活路を切り開く手段になるのか? 膨らむFC市場で中小企業が成功する秘訣を追った。

膨らむFCの裏に、頼る中小企業

 日本フランチャイズチェーン協会によると、FCの市場規模は18年度で約26兆円。09年度の約21兆円から26%増と大きな伸びを見せている。全体の43%を占めるコンビニエンスストア(18年度で11兆円強)を除いても18%の増加だ。

9年で25%超の成長率を支える法人加盟

注:日本フランチャイズチェーン協会調べ(右グラフ)

 背景にあるのは本業で苦しむ中小企業の存在だ。人口減少、少子高齢化が進み、多くの中小企業は売り上げが伸び悩む。抜本的なテコ入れや新規事業の立ち上げに比べれば、事業モデルの成功パターンがパッケージ化されたFCビジネスは成功確率が高い──。そう考えて、FC事業に加盟する中小企業経営者は多い。

 「今は変化が激しいため、1つの商売が続く期間を読みにくく、長続きもしない。投資の回収期間の計算が立ちやすいFCへの参入は、有力な選択肢になり得る」(FCコンサルタントの川上健一郎氏)。

 売り上げ低迷は社内の人余り状態にもつながり、その解決策としてFC加盟を決める中小企業も出てきた。川上氏によれば、「事業を縮小して余った人材の雇用の受け皿を探している」と相談を受ける機会が増えてきたという。

本業の顧客開拓に生かす

 中小企業と、新規事業としてのFCビジネスは相性がいい。日本経営合理化協会の作間信司専務理事は「地域に根差した中小企業は商圏についての理解が深く、本業と同じエリアでのFCビジネス展開は有利に働く」と指摘する。

 近年は、既存事業とのシナジー効果を期待してFCビジネスに乗り出すパターンが出てきた。例えば工務店が不動産仲介のFCに加盟するケースでは、顧客との接点を本業よりも上流にさかのぼって構築することになる。つまり、これまでは施工会社にすぎなかったが、仲介の窓口にも立つことでその後の工事を受注する確率を上げることができるようになるのだ。

 独立・開業・フランチャイズの情報サイトを運営するアントレの菊池保人社長は、「新規事業としての収益が上がる可能性に加えて、既存の本業が伸びる可能性も生まれる。相乗効果が見込めるので、経営者として投資しやすい」と見る。

 現代は市場や社会全体が成熟し、FCも多様化。「小規模でもエッジが立ったほうが流行りやすく、初期投資に1億円を超える金額を投資するビッグパッケージは減ってきた。業界全体が、ブームをつかんで投資を早く回収する傾向にある」(アントレ・川本傑取締役)。

小型FCが増えている

 本業が伸び悩む中小企業の経営者がFCビジネスを始めるかどうかの判断にかけられる時間はあまりない。取り組むなら、好調なうちに余裕を持ってスタートするのがベスト。本業が傾くほど失敗の確率が高くなる。

 FCビジネスの成功にはエース社員を投入して、経営者もフルコミットすることが大前提となる。そのためには本業が傾く前がFCビジネスを検討するタイミングだ。業績がかなり悪化してから起死回生を狙ったところで、「万全ではない体制で成功するほどFCビジネスは甘くない」(作間氏)。

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