川崎重工業は2021年度までに、インドに2輪車の専用モデルを初めて投入する。価格の安さなど現地ニーズに合わせた戦略車種を新規開発する。現在、同国ではグローバルモデルを販売している。同社は21年度に2輪車事業を含む「モーターサイクル&エンジンカンパニー」の売上高を18年度比約1割増の4000億円に引き上げる計画。達成に向け2輪で世界最大のインド市場を攻略する。
インドの2輪車市場で最も需要が旺盛なのが単気筒・排気量150―200cc領域で、10万ルピー(約15万円)前後の価格帯。川重の専用モデルはこうした需要を想定する。エンジン関連など一部を除き、部品の多くを現地調達してコストを抑える方針だ。
主にインドでは排気量250―1000ccのグローバル車種をベースに、インドで最低限必要な仕様を追加して販売してきた。価格は同250ccの2気筒モデルでも30万ルピー(約45万円)程度で拡販が難しかった。
川重はインド市場開拓へ体制作りを進めてきた。17年9月にマハラシュトラ州プネー市で2輪車工場を稼働。研究開発拠点も同工場内に設けた。生産と開発の両面で現地でノウハウが蓄積してきたタイミングで専用モデルの計画に着手した。
新興国向けでは、ベトナムで19年に2輪車販売を担う子会社を設立している。
日刊工業新聞2020年3月4日
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