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Wednesday, March 4, 2020

FRBが再度利下げをしたら株価はどうなるのか - 東洋経済オンライン

いったん下げ止まっても長続きしない?

乱高下が続く株式市場。そろそろ下げ止まり、と見てもいいのだろうか(写真:ロイター/アフロ)

3月3日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は緊急会合を開き、政策金利であるFF金利誘導目標をこれまでより50ベーシスポイント(0.5%)引き下げ、年1.00%-1.25%とすることを決定した。

声明では「米景気は引き続き力強いものの、「新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大がリスクをもたらしている」との見解を示したうえで、「最大限の雇用と物価安定の目標達成のために全会一致で金利引き下げを決めた」とした。50ポイントの利下げはリーマンショックによる株価急落を受けた2008年後半以来、また通常の会合以外で決定した緊急利下げになると、アラン・グリーンスパン議長時代以来になるという。

大幅利下げは、その後の株価上昇につながらない

もっとも、市場の反応は、利下げを好感して積極的に買いを入れるといった、前向きなものとはならなかった。声明の発表直後こそ大きく上昇したものの、早々に息切れ。その後は売り一色の展開となり、結局3日のNYダウ工業平均は前日比で785ドル下落して終了した。大幅利下げを好感するよりも、「FRB(米連邦準備制度理事会)が緊急会合を開いてまで決定せざるを得なかったほど経済は深刻な状況にある」と、市場の不安を改めて煽る格好となったことが背景にあったのだろう。

過去の例を見ても、25ポイントの小幅利下げを段階的に行う局面と違い、50ポイント以上の大幅利下げを行った後は、ほとんどの場合、その後株式市場は一段と値を下げる展開となっている。

追加緩和によって新型コロナウイルスの感染拡大が止まるわけではないし、世界的な景気減速に対する懸念が払拭されるわけでもない。アメリカ国内でも感染例が相次ぎ、感染防止のために人の移動を制限する動きが急速に強まってきた。

最近アジアに渡航したことのある人間が家庭内にいる場合、その家族も会社や学校へ行くことが禁じられ、自宅で待機するように言われる例も出てきている。経済活動への影響は、むしろこれから本格的に出てくることになるだろう。この先発表される2月や3月分の経済指標に弱気のサプライズが相次ぐようになれば、改めて売りを呼び込む展開になることも十分にあり得ると見ておいたほうがよい。

もちろんFRBによる金融緩和は景気の下支えとなる。だが、実際にその効果が表れるのはまだかなり先の話である。市場が比較的落ち着いた状態であれば、そうした将来的な景気の押し上げ効果に期待する形で買いが入ってくるのだろうが、今の状況ではそうした先の話を織り込むだけの余裕がないということなのだろう。今後本格的に景気が落ち込んでくるとの警戒感が高まっている中、緊急利下げがリスク回避の動きを改めて促した可能性が高いのではないか。

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